山あり谷あり⁉私の海外移住記

スリランカの移住生活

Ayurveda(アーユルヴェーダ)って⁈④

アーユルヴェーダは、歴史ある医学でありながら、我々の生活に密着した医学でもある。

前項で書いたように、私たちが本来持っている自分のVital energyのバランスを知ることで、どんな季節、食べ物、生活習慣に気を付ければいいかが見えてくるのだ。

 

 

1⃣ 病気の予防

2⃣ 病気の治癒

 

アーユルヴェーダにおける目的は以上のように記載されているが、最も重要視されているのは、やはり1⃣なのだ。

 

さらに、私がドクターと一緒に過ごす時間で気づいたのは、心(マインド=Manasa)のあるべき状態の重要性だ。

日本人は特に❝不要な❞ストレスを抱えている人が多いと、ドクターはよく言っていた。

メンタルはVata(ヴァータ)のエネルギーに影響を与えるとされているが、Vataは、このVital energyの中でもマスターと呼ばれるほど、強い影響力を持っている。

そのため、Vataの治療は他の治療よりも、根気が必要だと聞いたことがある。

 

ドクターの心(マインド=Manasa)のレッスンは、ほかのレッスンよりも印象に残るものだった。

レッスン中、いくつかのアドバイスを挙げていたのだが、今でもこれだけは忘れられない。

❝1日10分でもいいから、自然を感じなさい❞

一人になって、自然の中に身をおき、目を閉じ、風を感じ、自然を肌で感じるということ。(近くに何もなければ、木を触るだけでもいいらしい。)


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これは、人間はこの宇宙の一部であり、単体として存在しているのではないということを教えてくれる。

アーユルヴェーダにはこうした理論がある。

 

時に我々人間は、傲慢でこの世界を制しているかのように錯覚しがちだが、我々もこの宇宙により生かされている。

アーユルヴェーダとは、そんな当たり前のことを教えてくれる医学なのだ。

 

 

 

 

Ayurveda(アーユルヴェーダ)って⁈③

アーユルヴェーダはインドを起源にもつが、インドからスリランカにこの医学が

もたらされる前、この地にはある医学が存在していた。

それが

❝Helavedakama(ヘラヴェダカマ)❞

 

インドから伝来したアーユルヴェーダはこの土着医療ヘラヴェダカマと融合し、スリランカ独自のアーユルヴェーダに発展していったとされている。

そのため、インドのアーユルヴェーダと比べられることも。。。

 

スリランカアーユルヴェーダの大きな特徴は、緑豊かな気候風土により、薬となるハーブが豊富にとれ、フレッシュなハーブを使ったオイルや薬が多いこと。


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また、ヘラヴェダカマと融合したことで、よりスピリチャルな面もあるように思う。

 

もともとヘラヴェダカマは、一子相伝の医学であり、この医学を扱うものは僧であり、医師であり、さらには占星術師であった。

ヘラヴェダカマのドクターは、患者の星まわりを読むことで、その患者に最適な治療の日時や薬のハーブを採取する方角までも決めていたとされている。

また、魔法のレシピと呼ばれるものが存在するらしく(私も話だけで実際見たことはないが。。。)、呪文を唱えながら、ハーブを配合して患者それぞれに合った薬を独自に作るらしい。

 

私の知る唯一のヘラヴェダカマドクターもまた、ドクターであり占星術師だ。

その知識は代々受け継がれてきたものらしく、すべての答えは宇宙にあるのだとそのドクターはよく言っていた。

ここまで聞くと、なんか怪しいとか、そんな風に思えてしまうのだが、その場で聞く彼の話に冗談やウソ偽りはない。

そこにあるのは、ただ伝統の医学を継承し、人々のために役立てなければと願う純粋な魂だけが存在するように思う。

 

 

Ayurveda(アーユルヴェーダ)って⁈②

前項で述べたように、アーユルヴェーダでは、崩れたバランスをもとに戻し、体全体を健康にする超自然医療である。

 

ナチュラルヒーリングと呼ばれるこの医療で使われる薬や治療で使われるオイルなどは、すべて自然から採取したもの。そう100%ナチュラル。

 

治療の第一段階はまず、ドクターとのコンサルテーション。要は、診察だ。

ドクターは患者の脈から、体内のVital energy(生命力)の3つの要素のバランスを読む。

これが、脈診と呼ばれ、アーユルヴェーダ独特の診察のひとつだ。


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生命あるものすべてがもつといわれる、この3つのVital energyとは、

『Vata(ヴァータ』『Pitta(ピッタ)』『Kapha(カパ)』

とよばれる。

この3つの要素が本来の状態より過剰になったり、逆に減少したりすることで、体のいろいろな箇所に影響を与えるとされている。

これが続くことにより、体調を崩したり、病気が現れたりする。

 

アーユルヴェーダにおいて、この3つの要素のバランスは、皆それぞれ違うとされ、脈診で知りえた崩れたバランスをもとに、個それぞれに合った治療を、ドクターがアレンジして治療方針が決まる。

型にはめて分類して治療するのではなく、個としてとらえ、それぞれにあったオーダーメイドの治療を行うこの方法は、昔から変わらないアーユルヴェーダの特徴の一つでもある。

 

 

 

 

Ayurveda(アーユルヴェーダ)って⁈①

アーユルヴェーダは、西洋医学と一線を画す超自然医療である。

直接でた症状に対してアプローチする西洋医学は、即効性があり、現代医療の主流となっているが、それに比べ、アーユルヴェーダは、表にでた症状の根底にある原因をつきとめ、体全体を正しい状態へと『戻す』、いわばホリスティック医学(全体的、包括的医学)なのだ。

簡単にいうと体質改善なんて言われることもあるが、アーユルヴェーダの理論によれば、もともとヒトが生まれた状態が一番健康とされており、生きていく過程で人間関係、季節、環境、食事や生活習慣などによってヒトは様々な影響を受け、バランスを崩し、病気が現れるとされている。

アーユルヴェーダとは、生活改善や治療を行うことにより、その崩れたバランスをもとの状態に『戻し』、健康を取り戻すのだ。

 

そのため、西洋医学で治らなかった患者さんが、代替医療をたよってアーユルヴェーダを学ぶケースも少なくない。

もちろん、西洋医学とは違い、治療には時間と根気が必要だ。

そのため、アーユルヴェーダを学ぶときに、こんな項目が出てくる。

 

Ayurveda Chatuspadaya❞ (アーユルヴェーダ チャツスパダヤ)

 

これは治療を成功させるための4つの要素が重要と考える独特の理論であり、私が、この医療を学ぶ上で面白いと感じる一つの点でもある。

 

4つの要素とは『医師』『薬』『看護師』『患者』

 

最初の3つまでは、たいてい想像がつくのだが、最後が一番のポイントのような気がする。。。笑

 

この理論では、治療を成功させるために患者に必要なものとして以下の項目が述べられている。

 

『従順』『恐れない』『記憶力がいい』『病気への理解』

 

私が知るドクターは、この項目を説明するとき、『理想的な患者とは・・・』なんて話すから、患者の素質に治療の方向性が左右されるのだから医師が患者を選ぶのも当然だという強い意思がうかがえる。。。(笑)

 

いくら医師が優秀で正しい治療や薬を投与しても、患者が医師の言いつけを守らなかったら、治療は成功しないということ。

 

言われてみれば、納得なのだが、何千年も歴史ある医療でこのような理論が確立されているのは、やはり面白い!

 


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Ayurveda(アーユルヴェーダ)との出会い

スリランカには、アーユルヴェーダと呼ばれる代替医療がある。

アーユルヴェーダの歴史は長く、WHOにより世界で最も古い3大医療のひとつに数えられており、歴史を遡ると約5000年前のインドが起源とされている。

未だにこの知識がどのようにこの地球上にもたらされたかは、定かではないが、神からの贈り物なんて言われることもある。

 

そんなミステリアスなアーユルヴェーダとの出会いは、オットと結婚しスリランカに移住してから。

もちろん、オットと初めて出会ったスリランカ一人旅で、スパ感覚でアーユルヴェーダのトリートメントは受けたことはあったが、深い知識もなく、ただのいち観光客として、数時間の体験的なものだった。

 

そんな私が移住後数か月、仕事の関係でアーユルヴェーダを深く学ぶチャンスを得たのだ。

私の仕事はアーユルヴェーダドクターと日本人観光客との通訳と滞在中のお世話係。

ゲストリレーションマネージャーなんて言われてたけど、そんな品格のある仕事じゃない。。。笑

はじめは、まったくのド素人の私が毎日ドクターとの会話や日々の業務で、この医療の奥深い部分に踏み込めたのは、まさに現地で感じる何かがあったからでは、、、と今になって思う。

インターネット社会で世界のどこでも学ぶことができるようになった現在。

日本でもアーユルヴェーダのレッスンやスパがたくさん存在するのも事実。

しかし、ナチュラルヒーリングと呼ばれるこの医療は、このスリランカの地で長い年月をかけて発展してきた歴史があるからこそ、この土地を訪れ、風を感じ、鳥の声をきき、自然の呼吸を感じて、学ぶべきだと感じる。

 

かならずそこには、先進国にはない、『なにか』がある。

 


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長いトンネル②

国民の不満が、最高潮となった2022年7月。

ついに大統領府は、押し掛けた群衆により占拠された。


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国の破産宣言もだされ、

その後、国外逃亡していた大統領が辞任。

ついに一族独裁政治が終焉。

 

かといっても、すぐに経済は回復するものでもない。

しばらくは、まだまだ困窮の生活が続くのだ。

 

そんな状況では、スリランカに戻る気持ちにもなれず、断腸の思いで、しばらく日本に拠点をおくことを決意。

オットを日本に呼び寄せるために、入国管理局にビザの申請をした。

 

はぁ~~…💦

スリランカで今後の人生設計なんかも考えてたのにすべてが一気に崩れ去った。。。

いつか、オットとスリランカの魅力をいっぱい伝える個人旅行を専門とする小さな旅行会社をやりたかった。

…が、しばらくは、おあずけ…かな。

 

そんなことを考えながら、ふとわが人生を振り返ると、なかなか波乱万丈だ。

もちろん、こんなことじゃ、あきらめません!!!

あらがえない波にもまれることも人生。

とりあえず、もまれるだけもまれて、たどり着いたとこから、また立ち上がればいい!

 

スリランカ占星術によると、今の私は、土星がマスタープラネット。

この時期は、試練と学びのとき。

うまくいかないこの時だからこそ、ゆっくり自分の人生を見つめなおして、考えて、そして、味わいたい!

 

 

 

長いトンネル①

2021年11月、数年勤めていた仕事に区切りをして、日本に一時帰国する決断をした。

日本のコロナ感染が落ち着いてきたのと、スリランカ移住後一度も日本に帰っておらず、そこそこ日本食シックに陥っていたのもあった。。。

もちろん数か月で戻ってくるつもりだったので、往復分のチケットを買って。

 

 

しかし、私が帰国して間もなく、状況は一気に悪化した。

観光大国のスリランカにおいて、観光客の減少はとてつもない外貨収入減。

そのため、あらゆる輸入品の購入ができず、価格の高騰、品不足と悪循環に。

ついに、コロナによる経済への影響が目に見える形で露出してきた。

 

まずは、ガス。

私が一時帰国するちょうどその頃にプロパンバスが倍値となった。

その後、価格は上がり続け、品不足を解消するため販売業者は、ガスの配合量を偽り販売する始末。そのため、一時期は、不適切なプロパンガスによる爆発も増えた。

また、プロパンガスを購入することができない、低所得者は、灯油で火を起こすなど工夫に工夫を重ねている。

私の義母(アンマ)もガスがないため、電気炊飯器を調理なべとして使っている。

 

続いてガソリン。

ガソリンは日々、深刻さを増している。

価格は、異常なほどまで上がり、現在は、3倍。

品不足で、ガソリンスタンドには長蛇の列。

並んでも必ずもらえるわけもなく、三日三晩並ぶのはざら。

そのせいで、列に並んでいた人が亡くなるなんていうニュースも。。。

オットは、車を使う仕事のため、ガソリンなしでは元も子もない。

最近ではうちにいる時よりも、ガソリンの列に並んでいることのほうが多い。。。

 

そして電気。

毎日の停電は日常茶飯事。

それでも一時期は、1日12~3時間の停電もあったのだから、今はまだマシになったのかも。

最近は午前、午後、数時間程度。

 

こんな状況だから、人々の不満は半端ない!

デモは至るとこでやっていて、若者たちの力強さに圧倒させられる。

特に大統領府やゴールフェイスあたりに大規模なデモの拠点があり、常に警察が目を光らせている。


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